きのう何食べた? 1 (モーニングKC)
よしなが ふみ

定価: ¥ 590
販売価格: ¥ 590
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発売日: 2007-11-22
発売元: 講談社
発送可能時期: 在庫あり。
ホモのカップル話だけど料理漫画として秀逸
ゲイのカップルの日常はもちろん、料理漫画というジャンルとして面白い。
毎回出てくる日常を彩るおうちご飯がとても美味しそうで、
きちんとお財布にも健康にも大雑把にやさしくてうれしい。
作中のご飯づくりの工夫は生活を楽しむエッセンスのおすそ分けをもらう気分。
小洒落た感じでもなく、毎日お母さんがつくってくれるようなあたたかな手作りのレシピと
ご飯をつくるための流れがとても鮮やかに描かれています。
・食べさせる人の好み
・栄養のバランス(筧は健康とスタイルキープに非常に気を使っている)
・1品1品の味付けと全体としての味のバランスやルール
・冷蔵庫の作り置きとすでに購入されているタイムリミットのある食材
・新たに買い足す食品(旬の物や特売品)
・数品の副菜もふくめ、予想推定時間までに完成させるための下ごしらえからのプロセス
どれをとっても主婦および主夫の参考になるようなネタばかりです。
スーパーでの買い物の仕方、料理の仕上げ方、下ごしらえ、
出来上がりまでの全体の流れ。
戦略的に集中して料理をするから面白いのです。
そして淡白すぎなくて、にく・さかな・やさいのバランスの取れた
男の人が好きそうなレシピが満載です。
ある意味、男を落すレシピかもしれません。
料理好きにはたまらない漫画です。
おきらくゲイライフ?
同居の長いゲイカップルの生活感が柔らかなリアリティをもって描写されている、そういう見方も面白い。
薦められて購入し作者については良く存じ上げないが、日常のハプニングや交友関係の機微やちょっとした心理描写が非常によく描かれた漫画だと思う。童話、絵空事のように読む方も多いかと思うが(それは確かにこういうカップルだってひっそり浮気してたり夫が無職だったり、リアルならどこかに穴があるものであるが)、あえて「穏やかなゲイカップルの生活って得てしてこういう感じなのよ」と断言する。
笑いの落としどころや、料理のコストパフォーマンスのよすぎるところは好みの別れるところかも知れないが(ここまで家事にこだわるゲイはあまりコストパフォーマンスを重視しないものである)、絵のトーンやコマ割りなどとあわせて品のよいコメディに仕上がっている。
なにより「これだけ台詞字数の多い漫画を通した担当編集さん」に脱帽。
反省します
男の人の料理の一般的なイメージは、
上手な人でも、懲りすぎてて時間やお金がかかり、
毎日継続するには非効率的、非経済的という感じなのですが、
この作品のシロさんの作る料理は、それら全てを覆す「主婦的」な視点で完璧です。
めんつゆを使うなど端折れるところはきっちり端折り、
飽きがこないよう副菜の味のカテゴリー分けにまで気を配り
栄養バランスもちゃんと計算して、常に2品以上のおかずを作る。
六時に退社できるという条件の稀有さを差し引いても、到底真似できません。
この作品を読んで「モーニング」の読者の青年の皆さんがこんなレベルに達してしまったら
女の出る幕などなくなってしまうわ・・・と、ちょっと懸念するくらいです。
でも、そのシロさんの「完璧な主婦の料理」は、
作品中でシロさんの周囲の人間が「気持ちワルイ」と表現している、
彼の放つ違和感に繋がっていると思います。
ゲイという性質ならではの美意識の高さと、
将来の不安に対する人生設計がそうさせているのでしょが、
彼の年齢不相応に端正なルックスとあいまって、この異質な「男の料理」の詳細な描写が
彼の特異性を際立たせている気がします。
そしてその彼の性質に対して、未だ立ち位置の定まらない、
キャパが小さい母親の煩わしさや、父親の中途半端な理解、
距離があるからこその、他人の適度な親密さがもたらす救い、など
重いテーマもさりげなく描かれていて、
それらを料理が無理矢理に解決することもないあたりが
この作品を独特のものにしていると思います。
料理マンガというよりは、料理で味付けされた人間ドラマというか・・・。
この話がエッセイ的になるのではなく、何かしらの展開を迎えるのであれば
その内容が大変楽しみです。
・・・ともあれ、まずは、女としてシロさんの手際を目指そうかな。


